ここでは「かんたん沼計算機」の計算ロジックについて解説します。
1. 目標値の決定
まず最初に、目標値として以下4つの数値を決めます。
- 目標摂取カロリー [kcal]
- 目標PFCバランス
- P: たんぱく質 [%]
- F: 脂質 [%]
- C: 炭水化物 [%]
ここでは、1日の目標摂取カロリーが1500kcal、PFCバランスが30% : 20% : 50%という目標値を例に沼のレシピを計算していきます。
- 目標摂取カロリー : 1500kcal
- 目標PFCバランス
- P: たんぱく質 : 30%
- F: 脂質 : 20%
- C: 炭水化物 : 50%
2. 必要栄養素の計算
目標値を元に、各栄養素の量をグラムに変換します。
変換式は以下の通りです。
総カロリーが1500kcal、PFCバランスが3:2:5の場合は以下の通りです。
- たんぱく質
- 脂質
- 炭水化物
3. サブ食材・サプリメントの栄養素計算
沼に加えて食べたいものの栄養素を計算します。 ここでは例として、ゆで卵1個と、牛乳で割ったプロテインの栄養素を計算します。
完全に沼しか食べない場合、またほぼ無視できるカロリーの食材の場合はこの手順はスキップします。
まずは、卵1個あたり60gとしてゆで卵の栄養素を計算します。 卵100gあたりの栄養素は以下の通りです。
- たんぱく質 : 12.3g
- 脂質 : 10.3g
- 炭水化物 : 0.3g
ここから60gあたりの各栄養素を以下の式で計算します。
この式を使って計算した、卵60gの栄養素は以下の通りとなります。
- たんぱく質 : 7.4g
- 脂質 : 6.2g
- 炭水化物 : 0.2g
牛乳、プロテインについても同様に計算します。 プロテインはマイプロテインの"Impact ホエイプロテイン ミルクティー味"で計算を行いました。
-
プロテイン : 25g
- たんぱく質 : 20.5g
- 脂質 : 1.9g
- 炭水化物 : 1.0g
-
牛乳 : 200mL (206.4g)
- たんぱく質 : 6.8g
- 脂質 : 7.8g
- 炭水化物 : 9.9g
最後に、1日の必要栄養素からこれらサブ食材・サプリメントの栄養素を引いて、沼から摂取する栄養素を計算します。
- 沼から摂取する栄養素
- たんぱく質 : 77.8g (112.5g - 7.4g(卵) - 20.5g(プロテイン) - 6.8g(牛乳))
- 脂質 17.4g (同上)
- 炭水化物 176.4g (同上)
4. 白米の計算
沼の栄養素を構成するのは主に白米と皮無し鶏むね肉ですが、まずは必要な炭水化物を満たすだけの白米の量を計算します。 白米を先に計算するのは、鶏むね肉が炭水化物をほとんど含んでいないため、白米の量を必要な炭水化物量の1パラメータのみで計算出来るためです。
白米100gあたり栄養素は以下の通りです。
- たんぱく質 : 6.1 [g]
- 脂質 : 0.9 [g]
- 炭水化物 : 77.6 [g]
前節で求めた、沼から摂取したい炭水化物181.5gを満たすのに必要な白米の量を以下の式で計算します。
(176.4 / 77.6) * 100 = 227.3 [g]
沼に入れる白米の量が決まったので、この白米から摂れるたんぱく質、脂質を計算します。 計算式は前節と同様です。
- たんぱく質 : 13.9g
- 脂質 : 2.0g
5. 皮無し鶏むね肉の計算
白米の量に続いて、皮無し鶏むね肉の量を計算します。 2節で求めた沼で摂取したい各栄養素の量から、白米の栄養素を引き算をすることで、残りの必要な栄養素量が計算できます。
- たんぱく質 : 63.9 [g]
- 脂質 : 15.4 [g]
- (クリア!)炭水化物 : 0 [g]
皮無し鶏むね肉100gあたり栄養素は以下の通りです。
- たんぱく質 : 24.4 [g]
- 脂質 : 1.9 [g]
- 炭水化物 : 0 [g]
ここから、必要なたんぱく質量を満たす皮無し鶏むね肉の量を計算します。
(63.9 / 24.4) * 100 = 261.9 [g]
皮無し鶏むね肉は脂質も含んでいますので、その量を計算します。
- 脂質 : 5.0g
6. 足りない脂質量の計算
ここまでの計算で、白米で炭水化物を、鶏むね肉でたんぱく質量を満たしていますが、 それぞれとても低脂質な食品のため、このままだと脂質が20%に届きません。
最後に、必要な残りの脂質量を計算します。
17.4 - 2.0 - 5.0 = 10.4 [g]
この10.4gの脂質をなんらかの食材で補えば、目標のPFCバランスが完成します。 取り除いた鶏皮から採った鶏油を沼にかけたり、 チョコを食べたりして脂質を補いましょう。
なお、もしここで計算結果がマイナスとなってしまう場合は、2節のサブ食材・サプリメントから摂取する脂質量が多いものと考えられます。 その場合は量を見直し、2節から再計算を行います。
脚注
計算に使用している各食材の栄養素は、 特に但し書きの無い限り文部科学省発行の「日本食品標準成分表2015年版(七訂)」、 およびこれを元にした「食品成分データベース」より引用しています。
- 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
https://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365295.htm - 食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/